空き家売却時の仲介手数料引き上げと対策!知らないと損する最新情報
空き家売却時の仲介手数料引き上げと対策!知らないと損する最新情報
空き家を相続し、その処分を検討している方にとって、仲介手数料の引き上げは無視できない問題です。
特に、空き家が低価格である場合、この手数料が売却後の手元資金に与える影響は大きくなります。
国土交通省が2024年7月1日から施行する新たな報酬規定は、空き家の流通を促進するための措置ですが、売主にとっては手数料の負担増加につながる可能性もあります。
本記事では、仲介手数料の引き上げに関する最新情報と、その対策について詳しく解説し、賢い売却方法をご提案します。
1. 仲介手数料とは?その役割と重要性
1-1. 仲介手数料の基本
仲介手数料は、不動産取引をスムーズに進めるために不動産会社に支払う報酬です。
この手数料は、売主と買主の間での取引を成功させるために必要なサービスに対する対価として発生します。
仲介手数料は、売買契約が成立した際に支払われる「成功報酬」であり、売却が成立しない限りは発生しません。
1-2. 仲介手数料の計算方法
日本では、仲介手数料の上限が法律で定められています。
従来の計算方法は以下の通りです
- 売却価格 × 3% + 6万円 + 消費税
例えば、3000万円の物件を売却する場合、仲介手数料は以下のようになります
- 3000万円 × 3% + 6万円 = 96万円 + 消費税
この計算式により、仲介手数料が決定されます。
1-3. 仲介手数料の支払いタイミング
仲介手数料は、売買契約が成立し、売却代金の決済が完了した時点で支払われます。
手数料の支払いは、通常、売主から不動産会社へ直接行われますが、支払いタイミングは契約時に取り決められることが一般的です。
2. 仲介手数料の引き上げが行われる背景と影響
2-1. 国土交通省による報酬規定の改正
2024年7月1日から施行される新たな報酬規定では、空き家の売却を促進するために、低価格物件の仲介手数料の上限が引き上げられます。
これまで、400万円以下の物件に対して適用されていた特例が、800万円以下の物件にまで拡大され、仲介手数料の上限が最大33万円(消費税別)まで引き上げられることになります。
2-2. 引き上げの目的とその影響
この改正は、特に地方部で問題となっている低価格の空き家物件の流通を促進することを目的としています。
しかし、売主にとっては、売却後の手元資金に対する負担が増える可能性があります。
特に、800万円以下の物件に対して仲介手数料が上限33万円に引き上げられることで、売主が得られる利益が減少するリスクがあります。
2-3. 賃貸物件への影響
また、賃貸用の空き家に対しても、新たな「長期の空家等の媒介特例」が適用されるようになり、賃貸物件に対する報酬の上限も引き上げられます。この改正により、賃貸を選択する場合の費用負担も増加する可能性があるため、賃貸と売却の選択においても慎重な判断が求められます。
3. 新たな報酬規定と800万円以下の物件に対する影響
3-1. 新しい報酬規定の詳細
新しい報酬規定では、以下の内容が適用されます。
- 800万円以下の物件に対する仲介手数料上限:33万円(消費税別)
- 買主からも同額の仲介手数料を受領可能
この規定により、特に低価格帯の物件を扱う不動産業者が、ビジネスとして空き家を取り扱うインセンティブが高まり、結果として空き家の流通が促進されることが期待されています。
3-2. 800万円以下の物件を売却する際の注意点
売主にとって、800万円以下の物件を売却する際に重要なのは、仲介手数料の負担をどのように軽減するかです。新たな規定では、手数料の上限が引き上げられるため、売却利益が減少する可能性があります。
このため、事前に手数料について十分に確認し、可能であれば交渉することが必要です。
3-3. 高額物件における従来の計算方法との違い
800万円以上の物件に関しては、従来通りの「3% + 6万円」という速算式が適用されます。
このため、高額物件を売却する場合は、新たな報酬規定の影響を受けることは少ないですが、低価格物件と比べた場合の手数料の割合についても理解しておくことが重要です。
4. 仲介手数料引き上げの影響を軽減する方法
4-1. 不動産会社の選定
仲介手数料を抑えるためには、不動産会社の選定が非常に重要です。
複数の不動産会社から見積もりを取得し、手数料やサービス内容を比較することで、最適な会社を選ぶことができます。
手数料を引き下げる交渉も可能な場合があります。
4-2. 不動産一括査定の利用
不動産一括査定を利用することで、複数の不動産会社からの査定結果を一度に受け取り、比較することができます。
これにより、最も条件の良い不動産会社を選定し、手数料の引き上げを最小限に抑えることが可能です。
4-3. 契約条件の見直し
契約時に仲介手数料の条件をしっかりと確認し、必要に応じて見直すことが重要です。
特に、手数料の支払いタイミングや割引の可能性についても交渉しておくことで、手数料負担を軽減できます。
5. 賢い売却戦略:仲介手数料を抑えるためのポイント
5-1. 事前の情報収集
売却を検討する際には、事前に仲介手数料の仕組みや、各不動産会社の手数料率について情報収集を行いましょう。
市場の動向や、最新の規定について理解しておくことが、無駄なコストを抑えるための第一歩です。
5-2. 売却価格の設定
売却価格を適正に設定することは、手数料を抑えるうえで非常に重要です。
価格設定が適切でないと、売却が長引き、結果的に手数料が増えることになります。
市場の価格帯を参考にしながら、無理のない価格設定を行いましょう。
5-3. 手数料の交渉
交渉によって手数料を引き下げることができる場合があります。
特に、物件が高額である場合や、長期的な関係が築ける場合には、交渉が効果的です。
事前に交渉の余地があるかどうかを確認し、交渉に臨むことが重要です。
6. 空き家売却における手数料引き上げに関するQ&A
Q1: 800万円以下の物件の仲介手数料が引き上げられた場合、売却利益にどの程度影響がありますか?
A: 800万円以下の物件に対しては、最大33万円(消費税別)の手数料が適用されるため、売却利益に大きな影響が出る可能性があります。
事前に手数料を確認し、必要であれば交渉することで、利益を最大限確保することが重要です。
Q2: 仲介手数料が引き上げられた際に、他に節約できる部分はありますか?
A: 広告費やリフォーム費用など、売却にかかる他のコストも見直すことで、全体的な経費を抑えることが可能です。また、不動産会社を選ぶ際に、サービス内容と手数料のバランスを考慮することも重要です。
Q3: 新しい報酬規定は賃貸物件にも影響しますか?
A: はい、賃貸物件に対しても新たな「長期の空家等の媒介特例」が適用され、仲介手数料の上限が引き上げられることがあります。
これにより、賃貸物件の運用コストが増加する可能性があります。
Q4: 仲介手数料を支払うタイミングはいつですか?
A: 仲介手数料は、売買契約が成立し、売却代金の決済が完了した時点で支払うのが一般的です。
具体的な支払いタイミングについては、契約時に確認することが重要です。
Q5: 不動産一括査定を利用するメリットは何ですか?
A: 不動産一括査定を利用することで、複数の不動産会社から査定を受けることができ、手数料やサービス内容を比較することが可能です。
これにより、最適な条件での売却を実現しやすくなります。
7. 空き家売却における不動産一括査定の活用
不動産一括査定を利用することで、複数の不動産会社から査定結果を受け取り、手数料を比較することができます。
これにより、仲介手数料を最小限に抑えながら、最適な条件で売却を進めることが可能です。
特に、空き家売却においては、不動産一括査定を活用することで、無駄なコストを削減し、利益を最大化することが期待できます。
不動産一括査定のメリット
- 複数の査定結果を比較できる
一括査定を利用することで、複数の不動産会社からの査定結果を比較でき、最適な条件で売却を進めることが可能です。 - 手間を削減
複数の会社に個別に依頼する手間が省け、効率的に査定を進めることができます。 - 売却活動がスムーズに進む
高額査定を提示する不動産会社と契約することで、スムーズに売却活動が進みます。
一括査定の手順
- 査定サイトにアクセス
信頼できる不動産一括査定サイトを利用します。 - 物件情報を入力
売却する空き家の詳細を入力します。
所在地、築年数、面積などを正確に入力することが重要です。 - 複数の不動産会社に査定依頼
入力した情報を基に、一括で複数の不動産会社に査定を依頼します。 - 査定結果を比較
送られてくる査定結果を比較し、最も信頼できる不動産会社を選定します。 - 売却活動を開始
最適な不動産会社と契約し、売却活動を開始します。
8. まとめ
空き家を売却する際、仲介手数料の引き上げに対する対策をしっかりと講じることが重要です。
新たな報酬規定に基づき、特に800万円以下の物件では仲介手数料が増加する可能性があるため、適切な不動産会社の選定と手数料の交渉が求められます。
不動産一括査定を活用し、複数の査定結果を比較しながら、最適な条件で売却を進めてください。
この記事を参考に、空き家の売却をスムーズに進め、利益を最大化するための準備を整えましょう。
空き家売却の基礎知識
不動産売却の流れ|6ステップで不動産売却の流れを把握
不動産売却の流れを全く知らない人でもわかるように、不動産売却の全体の流れを売主の視点で6つのステップに分けて解説。
不動産売却は、ほとんどの方が不動産売却が初めてという方が多いと思います。不動産売却の流れや知識がないまま進めることに不安になることもあるでしょう。
不動産売却は、以下のように①不動産仲介会社に売却相談・査定依頼、②売却を依頼する不動産仲介会社と媒介契約を締結、③不動産の販売活動を開始、④不動産売買契約を締結、⑤不動産物件の引渡し・決済、⑥不動産売却の確定申告の6つのステップで進んでいきます。
不動産売却の流れの全体像
不動産の売却にかかる期間は3ヶ月~6ヶ月程度です。
それぞれの5つのステップについて、解説していきます。
STEP1:不動産仲介会社に売却相談と査定依頼
不動産売買の仲介を行っている会社に売却相談と売却価格の査定の依頼をします。
関連記事:不動産売却の簡易査定と訪問査定の違いとは?失敗しないための完全ガイド
STEP2:不動産仲介会社と媒介契約を締結
不動産売買の仲介会社を選んだら、売主と不動産仲介会社との間で媒介契約を結びます。
STEP3:不動産の販売活動を開始
媒介契約締結後、不動産仲介会社が不動産の売却活動を開始します。
STEP4:不動産売買契約を締結
買主が決定したら、不動産仲介会社が「買主の住宅ローン事前審査」と「不動産の最終調査」行い、不動産売買契約を締結いたします。
STEP5:不動産物件の引渡し・決済
売買契約で定めた期日で決済と引渡しが行われます。
売主・売主側仲介業者・買主・買主側仲介業者と司法書士の五者が、買主が住宅ローンの融資を受ける金融機関に集まって契約手続きするケースが多いです。
STEP6:不動産売却の確定申告
売主は不動産売却によって得た利益にかかる税金を納付するために売主は確定申告を行う必要があります。
時期は毎年2月中旬~3月中旬までに行います。
不動産売却の流れについて詳細は以下のコラムをご覧ください。
⇒不動産売却の流れを図解|査定・契約・決済のスケジュール
不動産売却の媒介契約の種類
不動産売却を依頼する仲介会社を選んだら、売主と不動産仲介会社との間で媒介契約を結びます。
媒介契約の種類と比較
媒介契約とは、売却が成立したときの不動産仲介会社に支払う報酬額や販売活動方法を取り決める契約です。
媒介契約は①専属専任媒介契約、②専任媒介契約、③一般媒介契約の3種類あります。
売却する不動産物件やご自身の状況をもとに媒介契約の種類を選択しましょう。
以下、媒介契約の特徴をご参考にしてください。
①専属専任媒介契約
媒介契約を締結できる不動産仲介会社数…1社
買手を自分で見つけた場合の仲介手数料…必要
指定流通機構レインズの登録…義務
販売活動の報告頻度…1週間に1回以上
②専任媒介契約
媒介契約を締結できる不動産仲介会社数…1社
買手を自分で見つけた場合の仲介手数料…無
指定流通機構レインズの登録…義務
販売活動の報告頻度…2週間に1回以上
③一般媒介契約
媒介契約を締結できる不動産仲介会社数…複数可
買手を自分で見つけた場合の仲介手数料…無
指定流通機構レインズの登録…任意
販売活動の報告頻度…任意
※ポイント
①専属専任媒介契約、②専任媒介契約は販売活動を依頼する不動産仲介会社の数が1社と制限されます。
①専属専任媒介契約は買手を自分で見つけることもできますが、仲介手数料を不動産仲介会社に仲介手数料を支払う必要があり、実質的に自分で販売活動することを制限されています。
※注意点
あとからもめないように媒介契約を結ぶ際に、把握している建物の雨漏りや周辺の騒音等、売却する不動産の状況を報告書(告知書)を記入しましょう。また、建物の設備等の内容や設備の故障を明記する付帯設備表という書類に記入しましょう。
不動産売買の仲介手数料の計算式【簡易計算式】
不動産売買の仲介手数料のわかりやすく簡易計算式での計算方法を解説していきます。
①不動産売買価格400万円以上
⇒不動産売買価格(税抜)×3%+6万円+消費税
②不動産売買価格200万円以上400万円未満
⇒不動産売買価格(税抜)×4%+2万円+消費税
③不動産売買価格200万円未満
⇒不動産売買価格(税抜)×5%+消費税
※低廉な空き家の仲介手数料
⇒上限30万円(税抜)+消費税
※売主が宅建業者の場合は、建物の価格に消費税が掛かります。
その場合は不動産売買価格から消費税額を除いた金額を元に、不動産売買の仲介手数料を計算します。
不動産売却の流れや不動産仲介手数料の費用を把握したら、次は複数の不動産仲介会社に査定の依頼をしましょう。
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