空き家を相続したらどうする?売却のポイントと注意点を徹底解説
空き家を相続したらどうする?売却のポイントと注意点
空き家を相続した際、その空き家をどうするかが大きな課題となります。
売却することで現金化するか、維持して将来のために保有するか、あるいは賃貸に出すか、さまざまな選択肢があります。
しかし、空き家の管理には多くの手間とコストがかかり、特に遠方に住んでいる場合や普段の生活が忙しい場合には、大きな負担となります。
この記事では、空き家を相続した方が売却を検討する際のポイントや注意点、特例制度の活用法について詳しく解説します。
1. 空き家を相続した場合の初期対応
空き家を相続した際、まず行うべきはその空き家の現状を把握することです。
以下のポイントを確認して、空き家の管理や売却の計画を立てましょう。
1-1. 空き家の状態確認
空き家の状態を詳細に確認することが重要です。
建物の老朽化状況、修繕が必要かどうか、設備の劣化状況などを把握することで、今後の対応策を決める基礎になります。
1-2. 名義変更の手続き
相続した空き家の名義を自分に変更する手続きが必要です。
相続登記を行うことで、正式にその空き家の所有者となり、売却などの手続きが可能になります。
1-3. 固定資産税の確認
空き家を所有することで発生する固定資産税についても確認が必要です。
税額や支払い時期を把握し、売却を検討する際のコスト計算に役立てましょう。
1-4. 近隣住民への連絡
空き家の管理や売却に関して、近隣住民に連絡を入れておくと良いでしょう。
空き家が放置されている場合、近隣トラブルに発展することもあるため、事前に情報を共有しておくことでトラブルを未然に防ぐことができます。
2. 空き家を売却するメリットとデメリット
空き家を売却することで得られるメリットや、逆にデメリットについて理解しておくことが重要です。
2-1. 売却のメリット
- 現金化による資金の確保
空き家を売却することで、一時的にまとまった資金を手に入れることができます。
これにより、他の資産運用や生活資金として活用できるのが大きなメリットです。 - 管理コストの削減
空き家を所有していると、固定資産税や維持費がかかります。
売却することでこれらのコストを削減することができます。 - 空き家のリスク回避
空き家を長期間放置すると、老朽化や空き巣被害のリスクが高まります。
売却することでこれらのリスクを回避できます。
2-2. 売却のデメリット
- 感情的な負担
相続した空き家には、家族の思い出が詰まっていることが多く、売却することでその思い出を手放すことになるため、感情的な負担を感じることがあります。 - 売却にかかる費用
売却には仲介手数料や修繕費用、引き渡し時の諸費用がかかるため、手元に残る金額が少なくなる可能性があります。
3. 空き家売却の手順と流れ
空き家を売却する際には、いくつかの手順を踏む必要があります。
以下のステップに沿って、スムーズに売却を進めましょう。
3-1. 不動産会社への相談
まずは信頼できる不動産会社に相談することから始めましょう。
空き家の状態や市場価格を見積もり、売却プランを立てます。
3-2. 空き家の査定
不動産会社に依頼して空き家の査定を行います。
査定額を参考に、売却価格を設定します。
3-3. 売却活動の開始
売却価格が決まったら、不動産会社が売却活動を開始します。
インターネットや広告媒体を利用して、購入希望者を募ります。
3-4. 購入希望者との交渉
購入希望者が現れたら、価格や引き渡し条件などの交渉を行います。
納得のいく条件で合意できれば、売買契約を締結します。
3-5. 売買契約の締結
売買契約を締結し、手付金の受領や引き渡し条件の確認を行います。
この段階で、引き渡し日や残金決済の日時が決まります。
3-6. 残金決済と引き渡し
残金の受領と引き渡しを行い、最終的に所有権の移転登記を行います。
これで売却手続きは完了です。
4. 空き家売却の注意点
空き家を売却する際には、いくつかの注意点があります。
これらを理解しておくことで、スムーズな売却を進めることができます。
4-1. 売却タイミングの重要性
売却のタイミングは非常に重要です。
市場の動向や季節によって売却価格が変動するため、適切なタイミングで売却を進めることが大切です。
4-2. 修繕やリフォームの必要性
空き家の状態によっては、売却前に修繕やリフォームが必要になることがあります。
購入希望者に良い印象を与えるためにも、適切な手入れを行いましょう。
4-3. 価格設定のポイント
価格設定が高すぎると売却が長引き、低すぎると手元に残る金額が少なくなります。
不動産市場の状況や近隣物件の価格を参考に、適切な価格設定を行うことが重要です。
4-4. 税金や諸費用の確認
空き家を売却する際には、譲渡所得税や仲介手数料など、さまざまな費用が発生します。
これらの費用を事前に把握しておくことで、売却後の資金計画を立てやすくなります。
5. 空き家売却における特例制度の活用法
空き家を売却する際には、税制上の特例制度を活用することで、税負担を軽減することができます。
ここでは、主な特例制度について紹介します。
5-1. 空き家の特例制度とは
空き家を売却する場合、一定の条件を満たせば、税負担が軽減される特例制度があります。
代表的なものとして、「被相続人居住用財産の譲渡所得の特別控除」があります。
この特例を活用することで、譲渡所得から最大3,000万円が控除される可能性があります。
5-2. 特例制度の適用条件
特例制度を適用するためには、いくつかの条件を満たす必要があります。
例えば、相続後に一定期間内に売却することや、空き家が被相続人の居住用財産であったことなどです。
具体的な条件を確認し、適用可能かどうかを判断しましょう。
5-3. 特例制度を活用する際の注意点
特例制度を適用するには、適用条件を満たしているかを確認するだけでなく、必要な書類を揃えて申告することが重要です。
また、特例を適用しても、全ての税負担が免除されるわけではないため、事前に税理士など専門家に相談することをおすすめします。
6. 空き家売却にかかる税金とその対策
空き家を売却する際には、譲渡所得税や住民税など、さまざまな税金が発生します。
これらの税金を適切に計算し、節税対策を行うことで、手元に残る金額を最大化することが可能です。
6-1. 譲渡所得税とは
譲渡所得税とは、空き家を売却した際に得られる利益に対して課される税金です。
譲渡所得は、売却価格から取得費や譲渡費用を差し引いた金額で計算されます。
この譲渡所得に対して税率が適用され、税額が決定されます。
6-2. 税率と税額の計算方法
譲渡所得税の税率は、所有期間が5年以下か5年以上かによって異なります。
所有期間が5年以上の場合は、長期譲渡所得として優遇された税率が適用されます。
税額の計算には、税理士のサポートを受けると良いでしょう。
6-3. 節税対策のポイント
節税対策として、特例制度を活用するほか、空き家の修繕費用を計上するなどの方法があります。
これにより、課税対象となる譲渡所得を減少させることが可能です。
7. 空き家売却の相談先と選び方
空き家の売却を成功させるためには、信頼できる相談先を選ぶことが重要です。
ここでは、空き家売却において頼りになる相談先の選び方を解説します。
7-1. 不動産会社の選び方
信頼できる不動産会社を選ぶ際には、実績や評判、提供するサービス内容を確認しましょう。
複数の会社に相談し、対応の良さや提案内容を比較することで、最適なパートナーを見つけることができます。
7-2. 税理士や弁護士の活用
空き家売却に関連する税金や法律の問題については、税理士や弁護士のサポートが必要になる場合があります。
特に、税金の申告や法的手続きが絡む場合には、専門家のアドバイスを受けることがリスクを減らすために重要です。
7-3. 相談先の見極め方
相談先を選ぶ際には、無料相談を利用して対応の良さを確認したり、実際に取引を行った人の口コミを参考にすることが有効です。
また、相談先が提供するサービスや費用についても事前に確認しておくと安心です。
8. 空き家売却に関するよくある質問
Q1: 空き家を売却する際の流れはどうなっていますか?
空き家売却の流れは、まず不動産会社に相談し、査定を受けることから始まります。
その後、売却活動を開始し、購入希望者との交渉を経て売買契約を締結します。
最終的に残金決済と引き渡しを行い、所有権の移転登記を完了させます。
Q2: 空き家を売却する際にかかる税金はどのくらいですか?
空き家を売却する際には、譲渡所得税がかかります。
税額は売却価格や取得費、譲渡費用に応じて計算されますが、特例制度を活用することで税負担を軽減できる場合もあります。
具体的な税額は、税理士に相談して計算してもらうことをおすすめします。
Q3: 空き家を売却する際に注意すべき点は何ですか?
空き家を売却する際には、売却タイミングや価格設定、修繕の必要性などに注意が必要です。
また、税金や手数料などの費用も事前に把握しておくことで、スムーズに売却を進めることができます。
9. 空き家売却における不動産一括査定の活用
空き家を売却する際には、不動産一括査定でまず査定をして相場を把握することから始めましょう。
不動産一括査定のメリット
- 複数の査定結果を比較
複数の不動産会社から査定結果を受け取ることで、最も高い査定額を提示してくれる会社を選ぶことができます。 - 手間が省ける
一括で複数の不動産会社に査定を依頼できるため、個別に依頼する手間が省けます。 - 売却活動が効率的に進む
高額での売却が期待できる不動産会社と契約することで、売却活動が効率的に進みます。
不動産一括査定の手順
- 査定サイトにアクセス
信頼できる不動産一括査定サイトにアクセスします。 - 物件情報の入力
売却を希望する空き家の情報を入力します。
所在地、面積、間取り、築年数などの詳細情報を正確に入力しましょう。 - 複数の不動産会社に査定依頼
入力した情報を基に、一括で複数の不動産会社に査定を依頼します。 - 査定結果の比較
各不動産会社から送られてくる査定結果を比較します。
査定額だけでなく、売却活動の提案内容や手数料なども考慮することが重要です。 - 最適な不動産会社の選定
査定結果と提案内容を基に、最も信頼できる不動産会社を選びます。
選定後、その不動産会社と契約を結び、売却活動を開始します。
10. まとめ
空き家を売却するかどうかは、個々の状況によりますが、適切な手続きを踏むことで、不動産の有効活用が可能になります。特に、不動産の売却を考える場合は、不動産一括査定を利用することで、最も有利な条件で売却することができます。この記事を参考に、空き家の最適な活用方法を見つけ、安心して手続きを進めてください。
また売れ残ってしまった空き家があり困っている方は、弊社お問い合わせページもしくはLINEから無料掲載希望のご連絡をいただけましたら、弊社サイトでも売却物件情報を無料で掲載いたします。
空き家売却のお役に立てればと思います。お気軽にご連絡ください。
空き家売却の基礎知識
不動産売却の流れ|6ステップで不動産売却の流れを把握
不動産売却の流れを全く知らない人でもわかるように、不動産売却の全体の流れを売主の視点で6つのステップに分けて解説。
不動産売却は、ほとんどの方が不動産売却が初めてという方が多いと思います。不動産売却の流れや知識がないまま進めることに不安になることもあるでしょう。
不動産売却は、以下のように①不動産仲介会社に売却相談・査定依頼、②売却を依頼する不動産仲介会社と媒介契約を締結、③不動産の販売活動を開始、④不動産売買契約を締結、⑤不動産物件の引渡し・決済、⑥不動産売却の確定申告の6つのステップで進んでいきます。
不動産売却の流れの全体像
不動産の売却にかかる期間は3ヶ月~6ヶ月程度です。
それぞれの5つのステップについて、解説していきます。
STEP1:不動産仲介会社に売却相談と査定依頼
不動産売買の仲介を行っている会社に売却相談と売却価格の査定の依頼をします。
関連記事:不動産売却の簡易査定と訪問査定の違いとは?失敗しないための完全ガイド
STEP2:不動産仲介会社と媒介契約を締結
不動産売買の仲介会社を選んだら、売主と不動産仲介会社との間で媒介契約を結びます。
STEP3:不動産の販売活動を開始
媒介契約締結後、不動産仲介会社が不動産の売却活動を開始します。
STEP4:不動産売買契約を締結
買主が決定したら、不動産仲介会社が「買主の住宅ローン事前審査」と「不動産の最終調査」行い、不動産売買契約を締結いたします。
STEP5:不動産物件の引渡し・決済
売買契約で定めた期日で決済と引渡しが行われます。
売主・売主側仲介業者・買主・買主側仲介業者と司法書士の五者が、買主が住宅ローンの融資を受ける金融機関に集まって契約手続きするケースが多いです。
STEP6:不動産売却の確定申告
売主は不動産売却によって得た利益にかかる税金を納付するために売主は確定申告を行う必要があります。
時期は毎年2月中旬~3月中旬までに行います。
不動産売却の流れについて詳細は以下のコラムをご覧ください。
⇒不動産売却の流れを図解|査定・契約・決済のスケジュール
不動産売却の媒介契約の種類
不動産売却を依頼する仲介会社を選んだら、売主と不動産仲介会社との間で媒介契約を結びます。
媒介契約の種類と比較
媒介契約とは、売却が成立したときの不動産仲介会社に支払う報酬額や販売活動方法を取り決める契約です。
媒介契約は①専属専任媒介契約、②専任媒介契約、③一般媒介契約の3種類あります。
売却する不動産物件やご自身の状況をもとに媒介契約の種類を選択しましょう。
以下、媒介契約の特徴をご参考にしてください。
①専属専任媒介契約
媒介契約を締結できる不動産仲介会社数…1社
買手を自分で見つけた場合の仲介手数料…必要
指定流通機構レインズの登録…義務
販売活動の報告頻度…1週間に1回以上
②専任媒介契約
媒介契約を締結できる不動産仲介会社数…1社
買手を自分で見つけた場合の仲介手数料…無
指定流通機構レインズの登録…義務
販売活動の報告頻度…2週間に1回以上
③一般媒介契約
媒介契約を締結できる不動産仲介会社数…複数可
買手を自分で見つけた場合の仲介手数料…無
指定流通機構レインズの登録…任意
販売活動の報告頻度…任意
※ポイント
①専属専任媒介契約、②専任媒介契約は販売活動を依頼する不動産仲介会社の数が1社と制限されます。
①専属専任媒介契約は買手を自分で見つけることもできますが、仲介手数料を不動産仲介会社に仲介手数料を支払う必要があり、実質的に自分で販売活動することを制限されています。
※注意点
あとからもめないように媒介契約を結ぶ際に、把握している建物の雨漏りや周辺の騒音等、売却する不動産の状況を報告書(告知書)を記入しましょう。また、建物の設備等の内容や設備の故障を明記する付帯設備表という書類に記入しましょう。
不動産売買の仲介手数料の計算式【簡易計算式】
不動産売買の仲介手数料のわかりやすく簡易計算式での計算方法を解説していきます。
①不動産売買価格400万円以上
⇒不動産売買価格(税抜)×3%+6万円+消費税
②不動産売買価格200万円以上400万円未満
⇒不動産売買価格(税抜)×4%+2万円+消費税
③不動産売買価格200万円未満
⇒不動産売買価格(税抜)×5%+消費税
※低廉な空き家の仲介手数料
⇒上限30万円(税抜)+消費税
※売主が宅建業者の場合は、建物の価格に消費税が掛かります。
その場合は不動産売買価格から消費税額を除いた金額を元に、不動産売買の仲介手数料を計算します。
不動産売却の流れや不動産仲介手数料の費用を把握したら、次は複数の不動産仲介会社に査定の依頼をしましょう。
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