離婚不動産売却おける共有名義解消の方法と注意点

離婚不動産売却おける共有名義解消の方法と注意点を解説

離婚不動産売却おける共有名義解消の方法と注意点を解説【不動産コンパス】

離婚不動産売却おける共有名義解消の方法と注意点を解説

はじめに|共有名義不動産の扱い方を知ろう

離婚が決まったときに、住宅などの不動産が夫婦の共有名義になっているケースは少なくありません。
しかし、共有名義不動産をそのままにしておくと、将来的なトラブルの原因になりかねません。
離婚後の生活を安定させるためにも、共有名義をどう処理するかをしっかり検討することが重要です。
共有名義の不動産が将来的な資産運用にどう影響するかや、解消の手段、維持コストなどについて理解を深めましょう。

離婚後においても共有名義が残る場合には、双方が関与しなければならない状況が続き、トラブルが起きやすくなります。
適切な処理を行わないと、住宅ローンの支払い、固定資産税など、負担が続くこともあります。
このような点を把握しておくことで、離婚後の資産管理がしやすくなります。

 

離婚後も続く共有名義のリスクと問題点

離婚が決まったものの、不動産を共有名義のまま放置しておくと、離婚後も夫婦の関係が断ち切れず、意図しないトラブルが生じる可能性があります。
具体的なリスクとしては、例えば、離婚後の生活の中で共有名義の物件について賃貸や売却などを行う場合、双方の同意が必要です。
このため、相手がその決定に賛成しない場合、物件が思うように活用できないという事態が発生しやすいのです。
さらに、共有物件は「もったいない状態」になりがちであり、活用できないばかりか、負担だけが増えていく可能性も高まります。

たとえば、離婚後に別居しているにも関わらず、物件の維持や管理費を分担しなければならないケースもあります。
不動産を所有している以上、固定資産税の支払いは避けられず、加えて住宅ローンが残っていれば、その返済も続けていく必要があります。
こうした費用の負担を分担することが難しい場合には、残された一方が過度な経済的負担を背負うリスクが生じます。
また、いざ物件を活用したいと思っても、相手の同意がなければ何も進められないため、精神的なストレスも加わる可能性があります。

離婚後も関係が残ってしまうリスク

共有名義の不動産を放置しておくと、離婚後もお互いの関係が継続してしまいます。
特に売却や賃貸などの重要な決定を行う際は、相手の同意が必要になるため、意見が合わなければ進展が難しくなります。
結果的に物件の活用ができず、「もったいない状態」になることも少なくありません。離婚によって生じた関係の変化に合わせて、不動産の名義も変更することが大切です。
離婚により新たな生活をスタートさせるためには、この点を見落とさず、共有名義のまま放置することがないよう、適切な判断が求められます。

維持費や管理費の負担

共有名義の不動産は所有しているだけで固定資産税がかかり、管理費も発生する場合があります。
離婚後にこうした費用負担を分担するのが困難になると、一方が過度に負担するリスクがあります。
特に、管理費や維持費は時間が経つほどに膨らむことが多いため、早期に共有名義を解消するか、双方で負担を分担する方法を見つけることが求められます。
これにより、お互いの経済的な安定を維持することが可能です。こうした経済面でのリスクを減らすため、速やかな解決が推奨されます。

 

離婚に伴う共有名義解消方法

共有名義を解消する方法は主に以下の2つです。

相手の持分を買い取る

一方の持分をもう一方が買い取ることによって、共有名義を解消することができます。
この方法では、相手の持分を評価し、適切な価格で購入することが求められます。
たとえば、物件の査定額が1000万円で、相手の持分が半分である場合、500万円を支払うことで名義の一本化が可能です。
このように、名義を一本化しておくと、離婚後の生活においても財産を管理しやすくなります。

不動産を売却して代金を分け合う

不動産を第三者に売却し、売却代金を分ける方法です。
これにより、共有名義を解消し、財産分与がスムーズに進められます。
この場合、売却の手続きに関しても双方が協力する必要があり、売却の進行がスムーズに進むよう配慮が必要です。
なお、売却により得られた利益は、持分に応じて分けることが一般的であり、あらかじめ不動産仲介業者に相談して、売却の流れを理解しておくことが重要です。
売却益を平等に分配するためにも、手続きについてよく理解し、慎重に進めましょう。

 

共有名義を解消する際に必要な不動産評価

不動産の売却や持分の買取には、対象物件の評価額を把握することが重要です。
不動産の価値を知るためには、不動産会社に査定を依頼するのが一般的です。
査定には「簡易査定」と「訪問査定」があり、それぞれ異なる情報が提供されます。
簡易査定は現地確認がなく手軽に行えますが、より精度の高い価格を知りたい場合には訪問査定を選ぶと良いでしょう。
査定の際には、固定資産税やローンの残高なども含めて資産全体を見極めることがポイントです。

査定を行う際には、対象不動産が周辺地域の相場と比較してどのような位置付けにあるかを理解することも大切です。
例えば、周辺に類似物件が多数ある場合や、築年数が古くなっている場合には、査定額が低くなる可能性があります。
また、住宅ローンが残っている場合、その残債務も査定に影響を与えるため、正確な査定を得るために必要な書類を整えておくと良いでしょう。
査定を依頼することで、正当な買取価格が明示され、円滑な手続きが進めやすくなります。
不動産会社に査定を依頼し、複数の見積もりを取ることで、物件の相場を把握し、より良い条件での売却や買取が期待できます。

財産分与時の注意点

不動産の評価額や売却額が確定したら、いよいよ財産分与の段階に入ります。
不動産は一般的に高額であり、その分配方法を誤ると後々のトラブルの原因になりかねません。
具体的には、どちらかが住み続けたい場合や売却して現金化する場合など、条件に応じて適切な対応が求められます。

また、ローンが残っている場合は、完済が必要になるケースが多く、完済後でなければ売却や名義変更が難しい場合もあります。そのため、離婚の際には、不動産の所有状況や負債を正確に把握しておくことが重要です。
不動産の評価を確認し、双方で納得できる形で分配方法を決定することがトラブルを防ぐポイントです。

離婚後も住み続ける場合の注意点

住宅ローンが残っている場合の対応

住宅ローンが残っている不動産を共有している場合、ローンを支払っている名義人が今後も返済していく必要があります。
ローンが残っている場合は、不動産を売却する際にも影響があります。
完済してからでなければ名義変更が難しいため、離婚後もローンの支払いを続けていく覚悟が必要です。

特に、家を離婚後も片方が住み続けたい場合、ローンの名義をどう扱うかが大きな問題になります。
ローンの完済前に名義変更を行うには、金融機関の審査が必要で、審査に通らないと変更は難しいことが一般的です。
また、ローンの名義変更を行わずに住み続ける場合、ローン支払いの義務が残り続け、離婚後の生活に負担がかかることもあります。
こうした状況を避けるためには、最適な対応策を事前に考えることが重要です。

財産分与の計算方法

離婚時の財産分与は「家の評価額-残りのローンの金額」に基づいて計算されます。
物件に価値が残っている場合には、相手に持分の価値分の金銭を支払う必要があります。
この際、双方の貢献度や持分比率に応じて分配が調整されることもあるため、専門家に相談するとスムーズに進めやすくなります。
たとえば、家の評価額が2000万円でローンの残高が1000万円の場合、残りの財産価値は1000万円となり、これを双方で分けることが基本の考え方となります。

こうした財産分与の計算は、共有名義の比率だけでなく、家計への貢献度などを反映させることも可能です。
特に、婚姻期間中に片方が支払いを多く負担していた場合には、その実績を元に配分の割合を見直すことも考えられます。
家計管理やローン負担に関する証拠書類があれば、交渉がよりスムーズに進みやすくなります。

 

税金面の注意点

不動産の共有名義を解消する際や売却する際に、発生する可能性のある税金についても理解しておきましょう。

登録免許税
 名義変更の際に発生する税金で、登記の変更を行う際に支払うものです。
不動産の名義を一方にまとめる場合や売却する際には、この税金がかかるため、準備しておくことが重要です。

譲渡所得税
 不動産を売却することで利益が出た場合に課される税金です。
居住用の不動産に対しては、一定の条件を満たすことで3000万円まで控除が適用される特例もありますが、利益が大きい場合は税金が発生します。

固定資産税
 不動産を所有している限り支払いが必要な税金であり、離婚後に不動産を持ち続ける場合は支払いが続きます。
持分の譲渡を行うことで、負担が移ることがありますが、税金が発生するタイミングなどを事前に確認しておくことが望ましいです。

特に、譲渡所得税には特例が適用されるケースもあるため、税金に関する知識を身につけ、最適な対策をとることが重要です。
こうした税制上のポイントを把握しておくと、予期せぬ負担を避けることができます。
売却のタイミングや手続きが複雑な場合には、専門家に相談することも検討してください。

 

共有名義の不動産を売却する手順

共有名義の不動産を売却するには、元夫婦が協力して手続きを進める必要があります。
2人で進めるため、売却価格の決定から印鑑証明書の用意まで、協力が不可欠です。
不動産会社への依頼を行う際には、信頼できる仲介業者を選ぶとともに、迅速な対応が求められます。
売却にあたっては、事前に準備する書類や手続きが多岐にわたるため、スムーズに手続きを進められるよう事前準備をしっかり整えておくことが成功の鍵です。

不動産の売却に向けた準備として、最初に行うべきは信頼できる不動産仲介会社を見つけることです。
仲介会社は、売却手続きのサポートから適切な売却価格の設定までを手助けしてくれます。
特に、共有名義の不動産を売却する際には、売却益を公平に分配する方法を考慮するため、双方が納得できる価格設定が重要です。また、印鑑証明書や住民票などの書類も早めに準備しておくと、手続きを円滑に進めることができます。
迅速な売却を目指すために、事前準備を怠らず、しっかりと計画を立てておきましょう。

 

まとめ

離婚に伴う不動産の売却は、特に共有名義で所有している場合、将来的なトラブルを回避するためにも重要なポイントです。
共有名義を解消する際には、相手の持分を買い取るか、不動産を売却して代金を分ける方法がありますが、いずれも不動産の正確な評価が必要です。
不動産評価の際には、住宅ローンの残高や物件の維持費も考慮し、税金面の負担についても準備をしておくことが求められます。
 さらに、売却時には双方が協力して進めることが必要で、信頼できる不動産仲介業者の選定や書類の準備が不可欠です。
こうした複雑な手続きをスムーズに進めるためには、まずは複数の不動産会社から一括査定を利用し、適正な売却価格や信頼性の高い業者を見極めることが大切です。
信頼できるパートナーを見つけて、安心して新たなスタートを切るために、一括査定を活用した売却をお勧めします。

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離婚不動産売却の基礎知識

不動産売却の流れ|6ステップで不動産売却の流れを把握

 不動産売却の流れを全く知らない人でもわかるように、不動産売却の全体の流れを売主の視点で6つのステップに分けて解説。
不動産売却は、ほとんどの方が不動産売却が初めてという方が多いと思います。不動産売却の流れや知識がないまま進めることに不安になることもあるでしょう。

 不動産売却は、以下のように①不動産仲介会社に売却相談・査定依頼、②売却を依頼する不動産仲介会社と媒介契約を締結、③不動産の販売活動を開始、④不動産売買契約を締結、⑤不動産物件の引渡し・決済、⑥不動産売却の確定申告の6つのステップで進んでいきます。

不動産売却の流れの全体像

不動産の売却にかかる期間は3ヶ月~6ヶ月程度です。
それぞれの5つのステップについて、解説していきます。

STEP1:不動産仲介会社に売却相談と査定依頼
不動産売買の仲介を行っている会社に売却相談と売却価格の査定の依頼をします。
関連記事:不動産売却の簡易査定と訪問査定の違いとは?失敗しないための完全ガイド

STEP2:不動産仲介会社と媒介契約を締結
不動産売買の仲介会社を選んだら、売主と不動産仲介会社との間で媒介契約を結びます。

STEP3:不動産の販売活動を開始
媒介契約締結後、不動産仲介会社が不動産の売却活動を開始します。

STEP4:不動産売買契約を締結
買主が決定したら、不動産仲介会社が「買主の住宅ローン事前審査」と「不動産の最終調査」行い、不動産売買契約を締結いたします。

STEP5:不動産物件の引渡し・決済
売買契約で定めた期日で決済と引渡しが行われます。
売主・売主側仲介業者・買主・買主側仲介業者と司法書士の五者が、買主が住宅ローンの融資を受ける金融機関に集まって契約手続きするケースが多いです。

STEP6:不動産売却の確定申告
売主は不動産売却によって得た利益にかかる税金を納付するために売主は確定申告を行う必要があります。
時期は毎年2月中旬~3月中旬までに行います。

不動産売却の流れについて詳細は以下のコラムをご覧ください。
不動産売却の流れを図解|査定・契約・決済のスケジュール

 

不動産売却の媒介契約の種類

不動産売却を依頼する仲介会社を選んだら、売主と不動産仲介会社との間で媒介契約を結びます。

媒介契約の種類と比較

媒介契約とは、売却が成立したときの不動産仲介会社に支払う報酬額や販売活動方法を取り決める契約です。
媒介契約は①専属専任媒介契約、②専任媒介契約、③一般媒介契約の3種類あります。
売却する不動産物件やご自身の状況をもとに媒介契約の種類を選択しましょう。
以下、媒介契約の特徴をご参考にしてください。

①専属専任媒介契約
媒介契約を締結できる不動産仲介会社数…1社
買手を自分で見つけた場合の仲介手数料…必要
指定流通機構レインズの登録…義務
販売活動の報告頻度…1週間に1回以上

②専任媒介契約
媒介契約を締結できる不動産仲介会社数…1社
買手を自分で見つけた場合の仲介手数料…
指定流通機構レインズの登録…義務
販売活動の報告頻度…2週間に1回以上

③一般媒介契約
媒介契約を締結できる不動産仲介会社数…複数可
買手を自分で見つけた場合の仲介手数料…
指定流通機構レインズの登録…任意
販売活動の報告頻度…任意

 

※ポイント
①専属専任媒介契約、②専任媒介契約は販売活動を依頼する不動産仲介会社の数が1社と制限されます。
①専属専任媒介契約は買手を自分で見つけることもできますが、仲介手数料を不動産仲介会社に仲介手数料を支払う必要があり、実質的に自分で販売活動することを制限されています。

※注意点
あとからもめないように媒介契約を結ぶ際に、把握している建物の雨漏りや周辺の騒音等、売却する不動産の状況を報告書(告知書)を記入しましょう。また、建物の設備等の内容や設備の故障を明記する付帯設備表という書類に記入しましょう。

 

不動産売買の仲介手数料の計算式【簡易計算式】

不動産売買の仲介手数料のわかりやすく簡易計算式での計算方法を解説していきます。

①不動産売買価格400万円以上
⇒不動産売買価格(税抜)×3%+6万円+消費税

②不動産売買価格200万円以上400万円未満
⇒不動産売買価格(税抜)×4%+2万円+消費税

③不動産売買価格200万円未満
⇒不動産売買価格(税抜)×5%+消費税

※低廉な空き家の仲介手数料
上限30万円(税抜)+消費税

※売主が宅建業者の場合は、建物の価格に消費税が掛かります。
その場合は不動産売買価格から消費税額を除いた金額を元に、不動産売買の仲介手数料を計算します。

 不動産売却の流れや不動産仲介手数料の費用を把握したら、次は複数の不動産仲介会社に査定の依頼をしましょう。
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